コーディングは不要になる?現役Web制作者としてAIについて考えてみた

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「AIがコードを書く時代、これからのコーディング学習はどうなるのか?」

Web制作を学び始めた方なら、一度はそんな不安を抱いたことがあるのではないでしょうか。中には「これからはAIに任せればいい」という極端な意見も耳にしますが、アラフォー未経験で業界に飛び込んだ私の実感は少し違います。

今回は、私が転職活動の面接で突きつけられた「ある衝撃の一言」や、実際の制作現場でのAI活用術など、綺麗事ではないリアルな視点から、今求められるスキルについてお話しします。

「コーディング一本道」を信じていた私が、面接で突きつけられた現実

アラフォーでWeb業界への転身を決めた私は、職業訓練校に通い、朝から晩までコードを書き続ける毎日を送っていました。当時は「とにかくスキルを身につければ道が開ける」と信じて疑わなかった時期です。

職業訓練校で信じていた「最強の武器」という幻想

当時の私の戦略は至ってシンプルでした。「未経験なら、まずは正解のあるコーディングを完璧にする。デザインはセンスが問われるけれど、コードなら積み上げた時間分だけ確実に武器になるはずだ」という考えです。職業訓練校のカリキュラムも基本的にはコーディングが中心。隣の席の仲間と「この記述で動かないのはなぜか」と悩み、解決していく過程に手応えを感じていました。

指を動かし、構文を覚え、必死にポートフォリオを作り上げる。その「努力の積み上げ」がそのまま内定に繋がると信じ、コーダー志望として実直に学習を進めていました。しかし、この時の私はまだ、業界が求めている「スキルの重心」が大きく変わり始めていることに気づいていませんでした。

面接官の「答え合わせ」と、薄々感じていた予感

実を言えば、学習中からAIを併用していた私は、心のどこかでうっすらと感じていることがありました。「これ、文法を丸暗記して1から書くより、AIに適切な指示を出す方が現場では大事になるんじゃないか?」ということです。コードは論理の積み重ねであり、AIが最も得意とする領域。対して、デザインやクライアントの意図を汲み取る感性は、まだ人間に分がある。そう直感していました。

その予感は、いざ転職活動の面接に臨んだ際、残酷なほどの「確信」に変わりました。自信を持ってコーディングスキルをアピールする私に対し、面接官は淡々とこう言ったのです。「ぶっちゃけ、コードのたたき台はAIでいいんだよね。それより、うちが今欲しいのはデザインから一貫して任せられる人なんだ」と。

半年間の努力を、登り切る直前でバッサリと切り落とされたような感覚でした。しかし、同時に「やっぱりそうだよな」という妙に冷めた納得感があったのも事実です。

「コードが書ける」ことの市場価値は、AIの登場で急速にコモディティ化(一般化)しています。今は書けることは「当たり前」の前提であり、その先の+αがなければ採用の土俵にすら上がれないのが現実です。

「適性」と「需要」のハザマで出した答え

正直に言えば、私はデザインよりもコーディングの方が圧倒的に適性がありました。パズルのように論理的な答えを導き出す作業が好きで、逆に正解のないデザインには常に苦手意識がありました。しかし、市場が求めているのは「AIでは代替できないクリエイティブ」を生み出すスキルでした。

自分がやりたいこと、得意なこと。それと、市場から求められる需要。この二つのズレをどう埋めていくか。これが、AI全盛期にWeb制作を始める人間が直面する、最初の、そして最大の壁だと痛感しました。私はコーダーとしての適性を活かしつつも、デザインという「逃げられない領域」にどう向き合うかを、この時改めて覚悟したのです。

制作現場に入って1年目。AIと共存するコーダーの日常

運良く「コーディング志望」として制作会社に滑り込めた私ですが、現場に入って見えてきたのは、学習中には想像もできなかった圧倒的な効率化の波でした。現場は「1から書く美学」よりも「いかに速く、正確に仕上げるか」という結果がすべてでした。

「AIに書かせて、人間が直す」が実務のスタンダード

入社1年目の私に任せられるマークアップなどの業務は、今やその多くをAIに任せることができます。まずAIにデザインの意図を伝え、大まかな構造を出させる。そこからデザインの細かなニュアンスや、独自の仕様に合わせて人間が微調整を加えていく。これが今の私の仕事の進め方です。

0から1を作る時間は確かに短縮されましたが、その分、重要性が増したのは「AIが出したコードが正しいかどうかを見抜く目」でした。AIは時として、見た目だけを整えた「保守性の低いコード」を吐き出します。それをプロの目で見極め、将来の改修に耐えうる形へ整える。この「最後の1割の調整」にこそ、プロとしての責任と基礎知識の重要性が凝縮されています。

「コーディング標準装備」という現場のプレッシャー

現場に入って何より驚いたのは、デザイナーもディレクターも、当然のようにコーディングの知識を「標準装備」していることでした。「自分はコーダーだから、コードが書ければ価値がある」という考えは、現場では通用しません。周囲が当たり前にコードを理解している中で、コーディングができること自体での差別化は驚くほど困難です。

ただ指示通りにタグを打ち込むだけでは、自分の代わりはAIを含めていくらでもいる。この事実は、1年目の私に心地よい達成感ではなく、常に「次の一手をどう打つか」という健全な焦りを与え続けてくれています。

現場では「コードが書ける」ことよりも「最短ルートでプロジェクトをゴールに導くこと」が評価されます。AIを使いこなすのはもはや裏技ではなく、プロとして最低限の義務になりつつあります。

センスをAIで補完する。私が実践している「思考のショートカット術」

「自分はデザインが苦手だ」という自覚があるからこそ、私はAIを単なるコード生成ツールとしてではなく、自分の弱点を補う「アイデアの壁打ち相手」として徹底的に活用しています。センスがないと嘆く前に、AIという巨大なデータベースを使いこなすことで、アウトプットの質を上げることができるのです。

デザイン案から一瞬でコード化、その先の「保守」を見据えた指示出し

カチッとしたデザイン案がある場合は、そのスクリーンショットをAIに読み込ませてベースを一気に書き出させます。しかし、ただ見た目を模倣させるだけでは不十分です。私は常に「運用フェーズを見据えた指示」を付け加えます。

AIは指示されたことには忠実ですが、未来の変更までは予測してくれません。そこを人間が補完し、将来的に改修しやすい「強いコード」へと導く。このディレクションこそが、AI時代におけるコーダーの新しい役割だと感じています。

「10個の案」から選ぶ。デザインの引き出しをAIで広げる

特に私が重宝しているのが、デザインのアイデア出しです。例えば、サイトに合うボタンや見出しのデザインに迷ったとき、自分で延々と悩むことはしません。「このサイトのトンマナに合うデザイン案を10パターン出して」とAIに依頼します。画面にずらっと並んだ選択肢を視覚的に把握し、そこから「これが一番クライアントの意図に近い」と選ぶ。0からひねり出すのは難しくても、提示されたものから最適解を選ぶことなら、センスに関わらずクオリティを担保できるのです。

「0から1」はAIに、「1から10」への選定とブラッシュアップは人間に。この役割分担が、センスの壁を乗り越え、実務のスピード感を維持する唯一の手段です。

まとめ:AI時代のWeb制作を生き抜くために

「AI時代にコーディング学習は無駄なのか」という問いに対し、私は「否」と答えます。しかし、かつてのような「コードさえ書ければ安泰」という時代が終わったのも事実です。

アラフォー未経験からこの業界に飛び込み、日々感じているのは、AIという最強の助手を味方にすることで、個人の限界を突破できる面白さです。コーディングという適性を軸に据えつつ、AIを使ってデザインや提案の領域まで自分を拡張していく。その柔軟性こそが、これからの時代に最も求められるスキルではないでしょうか。

変化を恐れるのではなく、新しい道具を誰よりも早く使いこなし、自分だけの価値を積み上げていく。「ゼロからWebログ」として、これからもその成長過程をリアルに発信し続けたいと思います。

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