Web作成やキャンペーンポスター制作など、仕事として制作物を扱っていると、どうしても「どこまで作り込むか」で悩む瞬間があります。以前の私は「自分が納得するまでやりたい」という気持ちが強かったのですが、今は少し考え方が変わりました。
大事なのは、自分が満足する100点を目指して時間を溶かすことではなく、「相手が納得するものを、納期通りに出すこと」。今回は、日々の制作の中で私が意識している、効率的で後が楽になる立ち回りについてお話しします。
「80点」で一度出してみる勇気
仕事において一番避けたいのは、こだわりすぎて納期に間に合わなくなることです。だから、私は自分の中で「80点くらいかな」と思える段階で、一度形にして出すようにしています。
これは手を抜いているわけではなく、「相手の満足ライン(合格点)」がどこにあるかを早く確認するためです。自分では「まだ足りない」と思っていても、相手に見せたら「これで完璧!」と言われることも珍しくありません。逆に、120点まで作り込んでも「方向性が違う」と言われれば、かけた時間はすべて無駄になってしまいます。まずは納期を最優先に、相手の反応を見る。これが一番効率的です。
「いかがでしょう?」と早めにボールを投げておく
言葉だけで「シンプルに」とか「かっこよく」と言われても、そのイメージは人によってバラバラです。だからこそ、制作の途中で「今こんな方向で進めていますが、いかがでしょう?」と軽く確認を挟むようにしています。
もちろん、相手の返信を待って手を止めるわけではありません。作業はそのまま続けますが、「一応見せておいた」という事実があるだけで、最後になってからの大きなひっくり返しを防ぐ保険になります。「百聞は一見に如かず」で、チラッとでも実物を見てもらうのが、認識のズレを埋める一番の近道です。
選択肢を提示して、相手に決めてもらう
「どうしますか?」と聞くのは、自分も相手も迷うのであまりやりません。それよりも、「A案とB案ならどちらがイメージに近いですか?」と選択肢をこちらから指定する方が、ずっとスムーズに進みます。
- パターンの提示: 余裕があれば方向性の違う案を2つ用意してみる。
- 決定を促す: 選択肢を絞ってあげれば、相手は「選ぶだけ」で済むので、合意までのスピードが上がります。
- 無理をしない: 自分が対応できる範囲で選択肢を作ることで、結果的に自分自身の作業も楽になります。
「修正は必ず来る」と思ってスケジュールを組む
どれだけカンプ通りに完璧に作ったつもりでも、修正依頼は届くものです。これはもう、制作という仕事のセットメニューみたいなものだと思っています。
だから、私は最初から「修正対応の時間」を納期の中にカウントして動いています。納期当日に初めて出すのではなく、数日前に「一旦できました」と提出して、修正が入る余裕を持たせておく。これが、精神的にも一番楽なやり方です。
「修正は来て当たり前」と思っておけば、いざ指示が来てもイラッとしません。もし修正が来なければ「ラッキー、時間が浮いた」と思えばいい。このくらいの軽いスタンスでいる方が、結果的に仕事がうまく回ります。
相手の特性を知り、合格ラインを予測する
相手(クライアント)が何を重視しているかを知ることも、無駄な作業を減らすコツです。特に得意先であれば、「この人は色の明るさを気にするな」とか「この人は配置にこだわりがあるな」といったクセが見えてきます。
初めての相手なら、最初のやり取りの中で何を大切にしているかを探ります。相手のこだわりポイントさえ外さなければ、多少の粗があっても満足してもらえることが多いです。相手をよく見て、どこにリソースを集中させるか判断する。この「予測」ができるようになると、修正の回数も自然と減っていきます。
まとめ:相手が満足すれば、それが「正解」
自分が納得いくまで作り込むのも一つの形ですが、仕事としては、相手が「これだよ!」と喜んでくれるものを提供することがゴールです。たとえ自分のなかで「もう少しやりたかったな」という部分があっても、納期内に相手が満足すれば、それがその案件にとっての正解なんです。
納期を守り、相手との認識を合わせ、修正の余裕を持って動く。この「無理のない回し方」を身につけることが、結局は自分自身がこの仕事を楽しく、長く続けていくための秘訣なんだと感じています。


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