【制作記録】初めてのポートフォリオ制作。AIと二人三脚で「こだわり」を形にするまで

未分類

職業訓練校のカリキュラムも終盤。就職活動の成否を分ける最大の関門、ポートフォリオ制作が始まりました。学校から提示されたルールは「これまでの課題を掲載すること」のみ。それ以外は基本的に自由。その一言が、私の制作スタイルを劇的に変えることになりました。

最初は「ボタンなんてクリックできればいい」と冷めたスタンスだったはずが、いざ自分の作品となると、1ピクセルの配置や挙動に無限に時間を溶かしてしまう自分に驚きました。今回は、初心者がAIを相棒に、どこまで理想を詰め込めるか挑戦した制作の舞台裏を振り返ります。

「JSの可能性」に圧倒された制作初期

せっかく自由なら、とにかく「動くサイト」にしたい。JavaScriptの知識がまだ浅い中、私の無理難題に応えてくれたのがAIでした。「こんな動きを実装したい」と投げれば、即座にコードが返ってくる。自分の手で書いたコードがサイトに命を吹き込んでいく感覚に、「JSってこんなに面白いのか!」と純粋に圧倒されたのを覚えています。

当時の私は、教室での1時間の居残り自習では全く満足できなくなっていました。気づけば自宅に戻ってからも深夜まで、ブラウザ上のわずかな挙動を調整し続ける日々。誰に強制されるでもなく、ただ「理想の形にしたい」という欲求だけでPCに向かっていたこの時期が、結果的にWeb制作に対する基礎体力を養うことになりました。

今振り返れば、この「理屈抜きの没頭」こそが、未経験者が技術を習得する上で最も効率的なショートカットだったのだと感じます。

AIを「10パターンの試作品」を出す職人として使い倒す

ボタンのホバーエフェクトや要素の配置など、言葉だけでは定まらない「理想の形」を探るため、私はAIをプロトタイピング・マシンとしてフル活用しました。これは、実務に入った今でも重宝している手法です。

  • 同時並列の提案: 「このサイトの雰囲気に馴染むボタンデザインを10種類出して」と指示。
  • 現物主義の選別: 出力されたコードを片っ端からブラウザに叩き込み、実際の動きや配置の収まりを見比べる。
  • 自分の「こだわり」を自覚する: 10個から選ぶ作業を繰り返す中で、「自分は意外と配置や細かい動きにうるさいタイプなんだな」という客観的な発見がありました。

「なんとなく」で終わらせず、納得がいくまで候補を出させて、自分の目で「正解」を選び抜く。このAIとの泥臭い壁打ちの時間は、単に技術を磨くだけでなく、自分の制作における「癖」や「好み」を客観視する訓練にもなりました。AIは答えを教えてくれる先生ではなく、自分のこだわりを具現化するための無数の選択肢をくれる、有能なアシスタントになっていたのです。このプロセスの積み重ねが、後の制作スピードにも大きく影響しています。

「自由」の果てに見えた、実務との境界線

好きなだけ時間をかけて、好きなものを作る。それは訓練生に許された特権的な体験でした。しかし、その楽しさの反面、ある一つの冷徹な現実を意識せざるを得なくなりました。デザインには正解がないからこそ、こだわり始めれば無限に時間を浪費できてしまうという「罠」です。

当時のポートフォリオのあとがきを読み返すと、まだ実務を経験していないなりに「仕事における制約と判断力の大切さ」について触れていました。制作の最終局面で、こだわりとスケジュールの折り合いをつける必要性に迫られた結果、自然とその視点に行き着いたのだと思います。

  • 自由の裏側にある「責任」: 趣味の制作は自己満足で終われますが、仕事はクライアントの課題解決が最優先。
  • 時間制約という壁: 無限に考え込むのではなく、限られた時間の中で「最適解」を出し、区切りをつける判断力がプロの価値になる。
  • 柔軟な判断力: 自分のこだわりを押し通すのではなく、納期や目的に合わせて柔軟に調整する力が必要不可欠。

徹底的に「沼」にハマって自分の限界までこだわり抜いたからこそ、逆に「ここから先は仕事として引くべきラインだ」という境界線を、感覚的に理解するきっかけになりました。この気づきは、実際に手を動かして、理想と現実のギャップに悩まされた経験があってこそ得られたものです。

最後に:今の「特権的な自由」を使い倒すべき理由

実務に入れば、自分の好きなように、納得いくまで時間をかけて作るという環境はまず訪れません。仕事は常に、クライアントからの指示とシビアな納期との戦いだからです。だからこそ、今訓練校に通っている皆さんに伝えたいのは、「何をやっても許される自由な場所にいるうちに、自分のこだわりを全力でぶつけてほしい」ということです。

効率や仕事の作法を考えるのは、現場に出てからでも十分間に合います。今は、AIという最強の相棒を使って、自分の理想をポートフォリオに叩き込んでください。ボタン一つの挙動に一晩悩むような泥臭い経験こそが、将来、現場で壁にぶつかった時の確かな自信に変わります。この自由な時間を、ただ「こなす」だけにするのはあまりにもったいないです。

迷いながらも最後まで作り切ったそのポートフォリオは、単なる成果物ではなく、あなたがWeb制作という世界で戦っていくための最初の「地力」を証明するものになります。今の特権的な自由を存分に使い倒し、自分なりの答えを見つけ出してください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました